平成29年12月 定例会(12月13日)一般質問 その3

質問3 延命治療を望まない人のための救急について

 ピンピンコロリという言葉が市民権を得て久しいですが,どちらかと言えば,軽く使われているようです。最近では,終活と共に,リビングウイルという言葉が浸透しつつあります。

 人生の最終段階で延命治療を望まないという意思を明確にするために,「自分の命が不治かつ末期であれば、延命措置を施さないでほしい」というようなことを書いておきます。「生前意思」とも、「いのちの遺言状」とも呼ばれています。そして得た死のことを、「尊厳死」あるいは「平穏死」または「自然死」などと言います。尊厳死は,命を短縮させる意図を持つ積極的な安楽死とは全く異なるものです。

 厚生労働省は、昭和62年以降5回にわたって「終末期における医療」に関する検討をし,平成 5年からは、国民や医療従事者の意識や希望を把握するとともに課題を整理されてきました。

 平成10年までは,痛みを伴う末期の癌患者さんや、植物状態の患者さんが対象でしたが、高齢化が進むことに伴って議論の範囲が広がり,終末期から終末期医療という表現に変わり、
 平成24年の社会保障制度改革推進法成立によって、個人の尊厳・個人の意思の尊重の観点が加わっています。

 このような背景のもとで,患者さんに意思決定能力があり,家族の同意がある場合に,病院のカルテに延命治療を希望しないという意思の記載があれば,人生の終段階を迎えている延命治療を望まない患者さんが,病院内で心肺停止になった場合には,病院は,心肺蘇生などの救命処置を行わないこととなっています。

 しかし、自宅や高齢者福祉施設など、病院外で心肺停止状態になった場合は,家族や施設関係者が救急通報をしてしまえば,病院のカルテに延命治療を希望しない意思を記載されている患者さんであっても,その意思は尊重されず,救急隊は消防法の定めにある通り,救命を原則とした心肺蘇生を実施して、医療機関に搬送することになります。

 もし、延命治療を希望しない患者さんをかかりつけ病院に搬送した場合は、カルテで延命治療を希望しない意思を確認できますから,救命処置は行われないと思いますが,それ以外の病院に搬送された場合は,救命処置が必ずされることになります。

 尊厳死についての法整備が行われていない現状においては、延命治療を望まない人の意思を尊重する体制の整備は,望めないことであると考えています。しかし、現状で出来る範囲での環境の整備については,十分にしておく必要があると考えています。

 「地域福祉アクションプログラム推進協議会 キラッとプロジェクト」として,2017年3月発行の「いのちをまもる わたしノート」という小冊子が、配布されています。

(→事務局に合図して、画像に切り替える

 表紙には「もしもの時に開いてください」と書いてあります。

開いてみますと、1ページには使い方の説、2ページには個人情報を書くようになっています。
3ページには「病気」「薬」に関することを記入するようになっています。
4ページは,1「かかりつけの医療機関名・診療科」電話番号 そして 

2 「医療機関名」「診療科」電話番号を書くようになっています。

  その下に、予期せぬ時に とあります。

できる限りの延命治療(気管切開、人工呼吸)を望む

延命治療は希望しないが、痛みを和らげて欲しい とあり、望みの

項目にチェックを入れるようになっています。 

その他、具体的希望とあり、ここにもチェックして、自由に希望する事を、書き込めるようになっています。延命治療を望まない人は、ここに、延命治療は望まないと書き入れることになります。

 市民の方は、今のところ自分の意思を無視されないような環境を,自分で作る必要がありますが,とりあえずは,この「わたしノート」の活用が考えられます。

(→合図して画像を消す

こういうところで,このカードの利用者は今後増えていくのではないかと思われます。自宅に居られる方も高齢者福祉施設に入所されておられる方も,それぞれ対象者であることに違いはありません。

   そこで,

1.消防本部としては,救急要請の手引などを作成して,市民が前もって救急医療情報を資料として作成しておき、必要な時にそれを提供できるように,市民に対する啓発をされてはどうかと思います。

 延命治療を望まない人が心肺停止となった時に,自然に見守ってほしという意思を貫くには、そのことを救急医療情報として書いておく必要があります。そして、その確認のために問い合わせに応ずることが出来る家族や、病院、かかりつけ医の連絡先を書いておくことも必要です。

 慌てて救急車を要請しないことが重要ですから、そのような注意事項を書き入れておくことが望ましいと考えています。

もし,事情を知らない人が救急車を呼んでしまった場合、救急隊がその事実を確認さえできれば、その任務遂行の手前で止められるはずです。

救急養成の手引きは、救急隊が現場で悩むことなく救急活動を行うためにも必要だと考えますが、お考えをお伺いします。

 また、
2.芦屋市としては,延命治療を望まない方々が,自宅や高齢者福施設において心肺停止の状態になった場合に,速やかに主治医や高齢者福祉施設の契約医師への連絡を行えるよう,病院や高齢者福祉施設に対して説明会等を行っておくことが,必要だと考えています。
人生の最終段階において,延命治療を臨まない患者さんの意思を最大限尊重できるように,病院や高齢者福祉施設に周知し、協議をしておくことについての、市長のお考えをお伺いします。

2回目で、八高連 「救急医療情報」のお知らせを
映像で見せて、意見を求めます。